筆で紡ぎ出す、「絵付」の世界
有田焼は白磁の美しさを活かした下絵付(染付)や、色鮮やかな上絵付で有名です。
下絵付けは釉薬の下にある絵付けで、釉薬を通して見える微妙な風合いが特徴です。
上絵付は、本焼成の後に、赤、緑、黄色などの絵の具で絵付けした技法で、染付に比べて華やかで装飾的な絵付けが特徴です。
初期伊万里、柿右衛門様式、鍋島様式、金襴手など、時代によって様々な様式が発展し、現代でも多様な表現が生まれています。
【有田陶芸協会作家に見られる主な技法】
・線描き/濃(だ)み ・和紙染め ・墨はじき ・釉裏彩/液体顔料 ・吹墨 ・金銀彩 ・プラチナ彩
【絵付けを主に作陶する作家】
・今泉今右衛門 ・小畑裕司 ・河口純一 ・酒井田柿右衛門 ・高森誠司 ・辻拓眞 ・辻聡彦 ・辻満喜男
今泉 今右衛門
IMAIZUMI Imaemon
(1962,12.30~) 今右衛門窯
・有田陶芸協会会長
・重要無形文化財保持者
日々変わらず制作ができる有難さを実感しています。
その土地で制作すること、人間の力の及ばないところへの畏怖の念、仕事を積み重ねるなかで、どのような新しい美意識が見つかるか楽しみにしながら制作に励んでいます。
https://www.imaemon.co.jp/ironabeshima/
「色絵薄墨墨はじき秋明菊文鉢」 今泉今右衛門
小畑 裕司
OBATA Yuji
(1961,5.18~) 仁窯
・有田陶芸協会運営委員
ろくろ成形した生地を本焼後、和絵具の上絵付で加飾しています。
正円子(ピンク)を用いて、桜を描き、華やかな上品さを出すことを意識しています。
また、魚やうさぎなどの独自の柄にも挑戦。これからもオンリーワンの絵柄を目指して作陶する所存です。
小畑裕司の世界/有田焼仁窯小畑裕司の世界へようこそ (obatayuji.com)
「ジンベイザメ文扁壺」 小畑裕司
河口 純一
KAWAGUCHI Jyunichi
(1935,12.20~) 純工房
・有田陶芸協会名誉会長
釉裏彩(ゆうりさい)の技法で、淡い色調と柔らかな藍や深紅が白磁に映える作品を手掛けています。塩化金、塩化銅、塩化コバルト、塩化クロームといった金属の液体顔料で素地に着色し、焼成時にのみ発色する独特の表現が特徴です。安定した色を出すのは難しく、50年余りの制作の中でも挑戦が続いています。唯一無二の作品を生み出すため、この伝統的な技法を追求しています。
「釉裏彩華文花器」 河口純一
酒井田 柿右衛門
SAKAIDA Kakiemon
(1968,4.17~) 柿右衛門窯
・有田陶芸協会副会長
・日本工芸会正会員
伝統的な技術と材料を使って色絵磁器の制作をしております。
2013年に初代から約380年間続く柿右衛門窯元を引き継ぎましたが早いもので10年が過ぎました。
様々な器に余白を活かしながら花鳥図や人物等を左右非対称な構図で描く定番の柿右衛門様式のリズム感を大切にしながら現代の新しい生活様式にも対応した作品となる様、日々模索しながら作陶を続けております。
【公式】柿右衛門窯 (kakiemon.co.jp)
「濁手苺文花器」 酒井田柿右衛門
高森 誠司
TAKAMORI Seiji
(1962,11.30~) 高森誠司陶房
・有田陶芸協会運営委員
・日本工芸会正会員
温故知新。
天草陶石を用いて、絵具・釉薬を自家製造し、手ロクロ・手描きで、一点一点心を込め丁寧に制作しています。
「青白磁釉彩文鉢」 高森誠司
辻 拓眞
TSUJI Takuma
(1992,11.10~) 聡窯 Sohyoh
・有田陶芸協会会員
聡窯の4代目陶芸家。
代々受け継ぐ「線刻技法」を用いた陶板画で、アニメーション背景美術の技法を取り入れた独自の風景絵画を描きつつも、磁土を用いた「板づくり技法」で新たな造形表現を探求しています。
辻 拓眞(@tsuji_takuma92) • Instagram写真と動画
(作品写真)
「築 -KIZUKU-」 辻拓眞
辻 聡彦
TSUJI Toshihiko
(1965,10.21~) 聡窯 Sohyoh
・有田陶芸協会事務局長
・日展会友
有田の磁器をキャンバスに、立体感と奥行きを生み出す独自の「線刻技法」を駆使して作陶しています。
白磁ならではの透明感や呉須のグラデーションを生かしながら、国内外の情景や心象風景を描く唯一無二な陶画の世界を追求しています。
聡窯 辻 聡彦 公式サイト|SOHYOH TSUJI TOSHIHIKO (tsujisohyoh.official.ec)
「躍動」 辻聡彦
辻 満喜男
TSUJI Makio
(1939,8.6~) 辻精磁社
・有田陶芸協会会員
極真焼は、文化八年に八代目辻喜平次が皇室献上品のために開発した辻家秘伝の技法です。製品と同じ磁土で作った匣鉢に釉薬を施して真空状態で焼成し、光沢と発色を高めます。焼成後に匣鉢を割って製品を取り出す一度限りの技法で、昭和60年に十四代辻常陸が復元に成功しました。
辻精磁社 (tsujiseijisha.jp)
「極真焼染付祝鶴文小花瓶」 辻満喜男
